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第5回環境勉強会リポート:「オリンピックと環境」(2009/3/4)

  • 2009年3月20日 11:42

ゲスト:東京オリンピック・パラリンピック招致委員会
      事業部門マネージャー  相原 正道 氏


2009年第1回の環境勉強会は、2016年のオリンピック・パラリン
ピックを東京に招致する活動をされている招致委員会マネージャー
相原正道さんをお招きして、「オリンピックと環境」をテーマに
お話をいただきました。

東京に招致する1番の心配ごとが支持率。第1次選考の残った4都市、
マドリード、リオデジャネイロ、シカゴ、そして東京の4都市中、
東京は59%と最下位、国民的な盛り上がりに欠けているようです。
実際の招致の可能性については、ビジョン・コンセプトに始まり、
施設計画、環境対策、資金面どれ1つ取っても、他の候補地に追随を
許さず圧倒的にリードし、東京以外の都市で、本当に開催できるのか
というのが実情のようです。

相原さんのお話を聞くまで、正直あまり関心のなかった2016年の東京
オリピック開催でしたが、この大きなお祭りを機に、環境技術のショー
ケースとして、また、ヒートアイランド東京が”緑と風”の力で、住み
心地良い都市に生まれ変わるチャンスになるとするなら、大賛成という
気持ちに変わりました。

あまり知る機会がなかった「オリンピックと環境」のエッセンスをリポー
トします。


■お話のポイント

・Vision & Concept、テーマは“環境”

・スポーツの祭典+環境技術のPRの場
 -世界初の”カーボン・マイナス・オリンピック”-

・ビジネスへの波及効果は…

Kankyo20090304NO5.JPG

◇Vision & Concept (Tokyo 2016 Games)

 Vision:”Uniting Our Worlds”
     都市の中心で多様な価値を統合

     日本と世界、世代間、伝統と現在そして未来、自然と都市環境、
     技術と生活の質、経済と社会、あらゆる価値観をむすぶ。 

 Concept:”Setting the Stage for Heroes”
     世界最高の環境 ヒーローたちの檜舞台

      The finest stage for all partidcipants
             オリンピックの開催を通じ、都市と人間を再生する


Vision、Conceptは、上記のとおり立派な内容です。加えて1つの大きな
テーマは、やはり”環境”とのことです。例えば競技会場計画では、環境を
重視した内容で、その約7割が1964年大会等の会場を使用するので、既存
施設の有効活用(Reuse)はもちろんのこと、運営経費の節約にもなります。
また、これらの施設は8km圏内に95%がコンパクトに配置され、選手、
観客等の移動が20分以内で、移動に関するCO2の削減は元より、選手のスト
レス軽減にも寄与するようです。
メインスタジアムは、東京湾岸の有明エリアに新たに建設され、屋上に設置
されるソーラーパネルを皮切りに、日本の環境技術の粋を集めた、最新鋭施設
になるそうです。


◇スポーツの祭典+環境技術のPRの場
 -世界初の”カーボン・マイナス・オリンピック”-

2016年の東京オリンピックの経済効果は3兆円規模と試算されているようです。
このような大規模イベントでは、道路、交通機関などのインフラを整備する
絶好の機会となりますが、その一として、東京都の既存計画でもある三環状線の
整備を進めるとのことです。現在、都心の平均時速は18.8km。この整備により
24km位にアップされ、CO2の大幅な削減、エネルギーの有効活用が可能とな
るようです。また、メインスタジアム周辺の臨海部には、大規模な植林を行い、
海からの風が吹き抜ける広域的・骨格的な緑の回廊「海の森」を創出することで
都心部のヒートアイランド対策と共に、生物多様性の維持発展、水や資源の有効
活用、美しい都市景観の形成も目指すとのこと。これらインフラ・都市整備に、
日本の環境技術、ノウハウの粋を結集することにより、世界初の”カーボン・
マイナス・オリンピック”実現させるという目標が宣言されています。
この宣言をベースに、オリンピック全体をショーケースとして捕らまえて、
世界からの訪問者に対して、日本の環境技術をPRする最高の機会にすること
ができるのではないでしょうか。


◇ビジネスへの波及効果は…

オリンピック招致によるビジネスへの波及効果については、施設の新設は少な
いとは言え、道路や周辺地域の整備等はありますので、建設・土木関係ビジ
ネスへの経済効果は高いと考えられます。また、環境関連技術のビジネスは、
大きなビジネスチャンスになりそうですが、太陽光パネル一つとっても、
その規模を考えると、なかなかベンチャー企業1社で受注するにはハードル
が高いのではないかとのこと。ビジネスチャンスがあるのではないかと思う
ものとして、例えば基本テーマの1つである”日本文化のPR”に注目すれ
ば、飲食関連は有望なジャンルの1つではないかとのことです。

2016年まで、残すところ8年。新たなビジネスチャンスを獲得するにも、
まだまだ時間はありますが、まずは本年の10月のIOCの総会で、日本が
選ばれることが先決ですので、是非、みなさん、盛り上げていただければと
思います。
来月4月から、IOC評価委員会の現地調査が始まります。

 

※前回1964年のオリンピックの時は、小学校1年生で、テレビ中継や千駄ヶ
谷の競技場の聖火の炎を見た微かな記憶が残っている団塊世代ですが、オリン
ピック招致については、一般国民と同様にあまり関心がありませんでした。
今回の相原さんのお話を伺い、私自身も環境系の会社を立ち上げましたので、
2016年の東京オリンピック招致を盛り上げて、我々もビジネスチャンスを
掴めればと思います。
前回の東京オリンピックの際には、新幹線や首都高が開通し、現在の日本の
経済発展の大きな原動力になりました。2009年、世界を取り巻く未曾有の
不況の嵐を、この秋のオリンピック招致決定の吉報を機に、日本が先頭を
切って乗り越える機会になればと願わずにはいられません。

                                テキスト・文責:エコマーケティング 菅野弘達


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