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LEDで省エネ漁、失明から回復も...産官学連携のいま

  • 2009年1月 6日 02:03

■LED、省エネ漁法の救世主

 発光ダイオード(LED)を利用したイカやサンマの省エネ漁法の実証研究が産官学の連携で進んでいる。当初は半信半疑だった漁船操業者らも、研究が進むに連れ、燃油削減効果を認め始めた。昨年は全国の漁船が一斉休漁するなど、原油高による燃料費高騰の問題は深刻。環境の視点からも省エネは重要で、研究を進める東京海洋大学の稲田博史准教授は「漁業の抱える深刻な問題解決につながる」と話している。

 「あの変な光はなんだ」

 2年前のサンマ漁期、1隻の漁船を見た周囲の漁船操業者たちは、首をひねった。この漁船こそが、白熱灯の代わりに、LED漁灯を装備した漁船「第1太喜丸」(長崎県雲仙市)。

 白熱灯をこうこうと照らして魚を集める方法で漁をするサンマ漁船の中、この1隻だけは、周りより暗く青白い光を放っている。しかし、集まるサンマの量は、ほかの漁船と変わらないようだ。数え切れないサンマがその光に集まった。

 稲田准教授は「ただ明るく照らすだけの漁灯から変わっていかなければならない」と話し、一緒に漁船に乗り込んでLEDの効果や水面下の魚の動きなどを研究している。

 周囲をまんべんなく照らす従来の白熱灯やメタルハライド灯に比べ、LEDは角度を限定して水面方向だけに光を出すことができる。発光の波長も、魚やイカが生息する水中を通過しやすいため、無駄な光が少ない。従来の漁灯と比べると人間の目には暗く見えるが、消費電力は少なく、10分の1から5分の1ともいわれる。

 漁業技術の推進や普及などに努める社団法人「海洋水産システム協会」は、こうした点に着目し、稲田准教授や電機メーカー「東和電機製作所」などとともに、LED漁灯を推進している。

 稲田准教授によると、中型イカ釣り漁船の場合、従来の漁灯は250キロワットで900万円程度導入費用がかかるが、LEDで同じ効果を得るためには3800万円程度かかる。水産庁の未普及技術の補助事業と認定されているため国が半額補助。メーカーが最新のLED漁灯を提供しているが、まだまだ導入する漁船は少ない。

 使い慣れない器具を高額な費用をかけて導入することに、漁船操業者らはまだ尻込みしているが、稲田准教授はそんな操業者を説得しながら普及に尽力している。「試験的にLEDをつけてもらうだけで3年間説得しました」

 稲田准教授が船に乗り込んで相談に乗り、技術改良にも取り組んだことで、最近では「ほかの漁船も導入したい」との声も出ている。

 同協会によると、国の補助事業でLEDを導入し、操業した漁船は平成17年からこれまでに、サンマ漁船で2隻、イカ釣り漁船で7隻。稲田准教授は「補助金と省エネにより、1~3年でLED導入の初期投資は回収できる。根気よく説明し、LEDを普及させていきたい」と前向きだ。

LEDも単純蛍光等だけでなく、様々な形で使われる様になると思います。

 


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