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第4回環境勉強会リポート:「新エネルギーの現状と今後の政策の方向性」(2008/12/1)

  • 2008年12月 8日 17:45

ゲスト:資源エネルギー庁
    省エネルギー・新エネルギー部政策課長 増山壽一氏


今回で第4回目となりますが、とうとう、「官」の方を講師に招くことが
出来ました。それも省エネルギー・新エネルギーの政策に携わる第一線の
官僚の方。増山課長は、民間だけでなく、官からも「仕組みを変えるべき
だ」といった見解をお持ちで、国の政策の方向性や若手企業家への示唆に
富むビジネスのヒントの数々を頂くことができました。

7つのトピックスと24ページもある分厚いフルカラーの資料をご用意い
ただきましたが、残念ながらその全てをリポートできません。
今回はお話の項目とコメントを列記することで内容を汲み取っていただけ
ればと思います。

 
・新エネ 太陽光推進の意義 ブームから実態へ 
     コンピュータITから学ぶこと

・電池3兄弟 太陽電池 蓄電池 燃料電池

・技術力でリードする日本の提案 社会システムの提案

 ・IT ソフトウェアが人口に膾炙 等々

 

◇太陽光、ブームから実態へ

現在の太陽光の発電コストは、原子力発電の約8倍。このコストでは普及
率を高めるのは困難。固定価格で一般家庭の太陽光発電の電気を買い取る
制度で普及率を高めたドイツの事例もあるが、長期的にみると種々の問題
点が噴出してくるものと考えられ、既に破綻の兆しが見えはじめている。

 日本も、補助金や各種政策を通して、太陽光発電の普及率を2030年までに、
現在の40倍に引き上げることを目標として掲げ、積極的に民間の後押し
していきます。それは太陽電池の一般家庭への普及で、発電の分散化が進
み、既存の社会システムを変えていけるという大きな構想があるからです。
現在の発電システムは、消費地から離れた場所で発電して、送電線を使っ
て各家庭へ配電しているが、この送電が一番のエネルギーロスになってい
る。各家庭での分散型発電になれば、街中の電柱・電線もなくなります。

この分散型にするには、太陽電池の性能アップ・低コスト化と共に、日中
発電したものを蓄えておく高性能蓄電池の開発がカギで、ここも世界各国
で鎬を削っています。来年から三菱、トヨタから家庭でのプラグイン充電
が可能な電気自動車の発売が始まって、このシステムの第一歩がスタート
します。


◇技術力は一番だが、システム構想力が更に必要

 この新たな社会システムの普及を進めるもう1つのガギが、システム構想
力です。分散型になればなる程、どのような利益モデルが考えられるのか、
またそのコスト計算が重要です。それを1番理解しているのが、実は電力
会社の技術者ですが、自分で自分の首を絞めてしまうと思っているのか、
腰が引けてしまっているのが残念です。固定電話と移動帯通信の歴史を振
り返ってみれば、携帯電話がNTTに不利になったという事実はないんです
から。

つくづく思うのは、いつか来た道ということです。今の新エネルギーブー
ムが、コンピュータ・ITの黎明期に良く似ているということです。ソフト
ウェアを女性の下着と勘違いされたという嘘のような本当の話もあります
が、IBMがハードを持って集中管理した時代から始まり、やがて分散化し、
ハードとソフトをつなぐインテグレータが出て、次はコンテンツという流
れでしょう。新エネルギーも今の上滑りしているブームから、きちっとし
たシステム構想力をもった会社が、利益の上げられるビジネスモデルを構
築していくのを期待しています。それはIBMとマイクロソフトのような関
係です。せっかく省エネ・新エネの主要な特許は、日本が全て押させてい
る有利なポジションにいるのですから、コンピュータ・ITの轍を踏まない
ように、是非、若いみなさんに頑張って欲しいです。既存の企業では難し
いと感じています。


今日の参加者は、ベンチャー精神を持った方が多数参加していますが、
これから太陽電池パネルを作りましょうと言っても、さすがにエネルギー
関連は、資本力がいると思うのですが、我々のような者でも参入できるの
でしょうか。また、参入するためのヒントなどをいただければと思います。
(司会者)


最近、街を歩いていると、屋根ばかり見てしまいます。南に面した日当
たりのいい団地なんか、ここに太陽電池置くといいのになあと思います。
例えば、私だったら、早速その団地に行って「屋根全部貸して下さい」
って頼みます。太陽電池の設置は当方でして、発電した電池はその団地
で使っていただき、余った電気を電力会社に買ってもらい、それを利益
とするようなビジネスモデルです。個人が太陽電池を設置するには、ち
ょっと高いから、なかなか普及しない。それを大きな構想を持って、シ
ステム構築力とコスト計算ができればビジネスになるのではないでしょ
うか。私の世代では実現できないと思いますが、日本のように日照率が
高くないところで太陽電池は不利ですが、例えば、一年365日、日の
照っている中東の砂漠に太陽電池パネルを敷き積めて、蓄電池に蓄えて、
今のタンカーのようなもので日本に運び、川崎の港から都心に送電する
ということだって可能なことだと思います。
ここでも蓄電池と太陽電池の技術とシステム構想力が必要です。

 
※IT業界の参加者が多いというのを意識した発言ではないと思いますが、
増山課長は、省エネ・新エネの業界が、コンピュータ・ITの歩んで来た
道に似ていると、しきりにおっしゃっていた。これをアナロジーにすれ
ば、どのようなビジネスが考えられるか分かると思いますとのこと。
久しぶりに霞ヶ関の官僚の方のお話を直接聞くことが出来、テクノロジ
ーからではなく、国の政策の面から省エネ・新エネの話を伺うことがで
き大変有意義な勉強会でした。
増山課長が直接省エネ・新エネのベンチャー企業を起こして、先導して
くれればと密かに思ってしまうほど、人を惹きつけるオーラ、エネルギ
ーを発している素晴らしい方でした。  
          テキスト・文責:エコマーケティング 菅野弘達


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